中学を卒業するまでの15年間、大津で育った中で印象に残っている場所は、やはり育った町、比叡平の風景です。人口が少ないので、車も少なく信号もない。見通しのいい坂道や比叡平のメインストリートを登下校で友達と歩いていた時間がとても幸せでした。山菜のイタドリを採って食べながら帰ったりもして。みんな知り合いで、町全体で子守りをしている「家」のような地域なので大好きでした。

家族との思い出は、琵琶湖を周遊する遊覧船『ミシガンクルーズ』によく乗っていたことです。当時はステージで海外のユニットがオールディーズなどを披露していたのですが、いつも両親に「前に出て踊りなさい！」と言われていました。幼少期は、目立ちたいのに恥ずかしがり屋という性格だったので、今思うと私に自信や度胸をつけるためにやってくれていたのでしょう。

“マザーレイク”と呼ばれている琵琶湖の存在はとても大きかったです。大津の子は失恋をしたり、悩みがある時は琵琶湖に行きます。私も歌手を目指して東京にオーディションを受けに行き、悔しい思いをして戻った時も、父が運転する車の中で泣きながら窓の外に映る湖を見て心を落ち着かせた記憶があります。

実家は京都に移ってしまったのですが、今も正月は大津に家族が集まります。帰ると必ず立ち寄るのは、比叡平にある『南山』という焼肉店です。家族と行っていた想い出の味でもあり、同級生の親御さんのお店でもあるので「おかえり」と迎えてくれます。大津の方は控えめでありながらとても人を大事にしてくれる印象がありますね。私は姉の高橋メアリージュンと「びわ湖大津ふるさと観光大使」をやらせていただいていますが、先日姉妹で帰った時も小学生以来会っていなかった同じ町のお母さんや先生と偶然再会し、ずっと応援してくれていたことを知り、とても嬉しくなりました。

私も姉も10代で上京したので、滋賀県のグルメや神社仏閣などは、ほとんど知らずにここまできたのです。先日、初めて来訪させていただいた『比良山荘』はあまりにも幸せ時間でした。熊肉の「月鍋」コースをいただきましたが本当に美味しく、雰囲気や山の中というロケーションも素敵でしたよ。そして、中学生の頃、通っていた大津京は、子どもが安全に遊ぶことができる広場が併設されたショッピングモールやオシャレなカフェも多くできていて、年々、利便性が良くなっていると感じます。幼い頃、家族でよく夕日を見た『びわ湖大津プリンスホテル』の前から『琵琶湖ホテル』を繋ぐ湖岸沿いはとてもキレイで穏やかなので、一人で散歩をすることもありますし、昨年、両親と私の家族で見た『びわ湖大花火大会』は本当に圧巻でした！これからはもっと“大人の滋賀県”を知って発信していきたいです。

大津の自然や歴史、文化に触れて育ったことは、現在のライフスタイルや価値観、子育てや家族との時間にかなり影響を与えていると感じます。毎日、琵琶湖を見ていたので、私自身、今も海や川などの自然を見るととても落ち着きますし、子どもたちは都会で生まれ育っているので、まめにキャンプやドライブで自然を感じられる場所に連れて行き、生きるための学びを経験してもらっています。そして、何かある時に吐き出せる場所、自分を慰めてくれる場所は「家族」以外にも必要。私にとってそれが琵琶湖だったので、子どもたちにもそういう場所が見つかればいいと思います。

もし、セカンドハウスを大津に持つとしたら、実家は山の上で琵琶湖を見下ろすことが多かったので、琵琶湖をビーチのように感じられる湖岸が理想。テラスからそのまま琵琶湖に行けるような家が憧れです。テラスで大好きなコーヒーを飲み、子ども達はビーチで遊ぶ。私は水上アクティビティに興味があるので、SUPとかをやってみたい。休みの日には家族で滋賀のキャンプ場に行くのもいいですね。

家族は私の生きがいであり、私の全て。お仕事も家族の時間も自分の時間も大事にしたいので、本当に欲張りで難しいなと思う瞬間が多々あります。その都度、自分がどうしたいか、何を求めているのかを問うて、自分の心に嘘をつかず、無理なく過ごしながら両立していけたらいいですね。今後は自分の生き方や大切にしていることをより確実に発信していきたいですし、そういったものを何らかの形にできたら最高だなと思います。